アトピー情報3

子どものアトピー④ 薬と肌ケア効果出たのに罪惑感 次男(5)のアトピー性皮膚炎の治療に疲れ果てていた札幌市の女性(42)は2007年11月、すがる思いで、厚生労働省が市内で開いたシンポジウムを聴きに行った。 壇上では、国立成育医寮センター(現国立成育医寮研究センター)の専門医らが、アトピーや食物アレルギーの症状をコントロールするこつを話していた。 ステロイド剤や保湿剤による計画的な薬物治療、徹底的なスキンケア、ダニやホコリなど悪化要因への対策が、治療の柱になること。食事療法で食べ物を過剰に除去すると、成長の障害につながりかねないこと。 治療の羅針盤とするため学会が作った診寮ガイドラインの存在を、初めて知った。 でも、薬物療法もダニ対策ももうやっている。「どう薬を使い、スキンケアをどうすればいいのか」。それが分からず、少し不満だった。 「医療や薬への不信を募らせず、ガイドラインを知って治療を選べば、子どもの症状も変わります」。シンポの最後に講演した患者団体「アレルギーを考える母の会」の園部まり子代表(56)が会場に呼びかけた。その声は力強く、表情は明るかった。 講演を終えた園部代表に、夫と駆け寄った。「とにかく話を聞いて欲しい。食事療法で、食べられるものがほとんどないんです」 行き過ぎた除去食寮法で栄養が不足し、皮膚炎を悪化させたり、成長障害を起こしたり-。園部さんは、そんな子どもの相談例をたくさん耳にしていた。 講演していた同センターの大矢幸弘アレルギー科医長への相談を勧められた。札幌から800㌔以上離れた東京での治療になるが、迷いはなかった。「すぐ行こう」。夫も賛成してくれた。食事療法の効果に、夫も疑問を感じていた。 2カ月後の08年1月、センターに入院。治療内容はこれまでと全然違っていた。 清常な肌を保つため、1日に3回入浴し、ステロイドの塗り薬を皮膚が隠れるほど厚く塗り広げる。効果はすぐに表れ、皮膚は2、3日でつるつるになった。 ところが、かつて抱いていた罪悪感が女性の中でまたふくらみ、不安になった。「このままステロイド漬けになるのでは」。夜の病室でぐっすり眠る次男の顔を見ながら、ひとり、涙を流した。

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出典 朝日新聞

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